ステンレスにシーズニングは不要!?メスキットパンで徹底検証してみた【購入レビュー】

どうも!!!つくりんです!!!
つい最近メスキットパン(アメリカ軍が野戦用に使用していたクッカー)を手に入れた自分ですが、、、

つくりん

ステンレス製品のクッカーってどう扱えばいいの?!
そもそもステンレスという金属について、どういう特性の金属なのか深い理解がありませんでした。
なので鉄製品では必ず行うシーズニングという作業が、本当に必要かどうかもわからない状態でした。
これまでは漠然とステンレスクッカーを扱い、当然のように焦げ付かせてはタワシでゴシゴシ磨く扱い方をしていましたが、これって本当に苦労するんですよね。
そこで一つ閃きがありました…。

つくりん

あれ、これもしかして自分以外も同じ悩み抱えてるんじゃね?

これは記事にせねばブロガーの名が廃る!
ということで今回は実験も兼ねて、ステンレス製品のクッカーをシーズニングせずに調理してみたらどうなるか検証してみました!

そもそもシーズニングってなんで必要なの?

まず最初に知るべきは「シーズニングの目的」ですよね。シーズニングは工程ごとに目的があるんです。
それぞれ紹介させていただきます。
※今回アルミ製品のシーズニングには触れません!

錆びにくくするため

最もメインとなる理由がこちら。「錆びにくくするため」。

鉄をボロボロにしていく原因となる赤さびは鉄製品の鉄分子に水、酸素が反応して発生します。

赤さびは鉄内部に侵食してボロボロにしていくため放置は厳禁です!

シーズニングの工程の一つに空焚きがありますが、これは赤さびが発生する前に鉄表面に酸化膜(バリアのようなもの)を形成することが目的となります。

この酸化膜が水や酸素との接触を防いでくれるので、赤さびが発生しなくなるのです。

金属臭さを無くすため

未使用の鉄製品は独特の鉄臭さ(金気臭)があり、結構気にされる方が多いです。

金気臭は鉄そのものが持つ鉄分の臭い。クズ野菜(香味の強いネギなど)や、米のとぎ汁で煮沸することで金気臭を薄めることが出来ます。

一般的なシーズニングの流れで、クズ野菜を炒める工程があるのはこのためです。

焦げ付きにくくするため

オリーブオイルやサラダ油を熱した鉄製品に馴染ませ、焦げ付きを防止することもシーズニング作業の目的の一つです。

なぜ油を馴染ませると焦げ付きにくくなるのか。これは油に含まれるリノール酸が熱と酸素に反応し樹脂層を形成するためです。

この樹脂層と、上述した酸化膜によりクッカー表面に焦げ付きが発生しにくくなります。

結論、ステンレス製のクッカーにシーズニングは不要!

さて、ここまでシーズニングの必要性について軽く述べてきましたが、個人的にはステンレス製クッカーにシーズニングは不要と考えています!

その理由はこちら!

ステンレスは常に酸化膜が形成されるので超錆びにくい

ステンレスは鉄を主成分とし、クロムを10.5%以上含んだ合金のことを言います。このクロムという金属が超優秀なんです。

ステンレスは鉄が酸化し赤さびが発生するよりも早く酸化クロムという酸化膜を形成します。この酸化膜は非常にち密なうえ、傷ができたらすぐ酸素と結合し形成されるので常時赤さびからステンレスを守ってくれます。

なので、ステンレスは熱処理で酸化膜を無理やり形成しなくても、もともと酸化膜が出来ており錆びにくいので必要ないのです。

未使用時の金属臭さは洗剤で洗えば気にならない

そもそも金気臭というものは鉄本来の臭いであるため、鉄含有率が高ければ高いほど気になるようになります。

ただし、ステンレスはクロムを含有しているため、鉄含有率が少ない合金です。スキレットやダッチオーブンといった鉄製品よりも金気臭は気になりません。

どうしても金気臭が気になるという場合は、開封時点で軽く中性洗剤で洗うことをお勧めします。これだけでかなり鉄臭さは解消されますよ。

調理方法を意識すればステンレス製品は焦げ付かない

ステンレス製品を焦げ付きにくくするためのポイントはこちら。

  • クッカー全体を余熱した後に油を投入し、全体に馴染ませる
  • クッカー表面に汚れがない状態で食材を投入する
  • 調理は中火以下!(超重要)

これらを守ればステンレス製品は非常に焦げ付きにくくなります!

ステンレスは熱伝導率が悪く、あらかじめフライパンを温めず(余熱)に調理をすると、熱が入らないところと熱が入る部分が顕著に分かれ、熱が極端に入る箇所が焦げ付きの原因になるためです。

またクッカーの温度はムラなく全体が180℃以下であればより焦げ付きにくく美味しい料理が出来る模様。

200℃を超えると炭化が始まり、焦げの原因となりますので注意してください。

ステンレス製品は一度温まったら冷めにくいので、余熱して油を馴染ませたら中火以下で調理するようにしましょう。

また、クッカーに焦げ付きが生じていると、そこに引っかかるように新たに焦げが発生するので使用後はしっかりと洗うことをオススメします。

実際に検証してみた

論より証拠!ということで、実際にステンレス製のメスキットパンを使用し、検証してみましょう。

まずは今回検証で使用するメスキットパンの紹介をさせていただきます!

メスキットパンの特徴

こちらがメスキットパンです。どうです?無骨でカッコよくないですか?

自分が購入したメスキットパンは幅20cm程のステンレス製メスキットパンです。中にはアルミ製のメスキットパンもあるようなので、よりミリタリーライクな見た目を好むのであればアルミ製をオススメします。

自分はステンレスの堅牢性、耐腐食性、鈍く輝く金属光沢が好きなのでこちらにしました。

メスキットパンのフライパン部分には取っ手が付いており、こちらの取っ手を利用して上蓋を固定しています。

少し力を入れると「カチン」という小気味良い音とともにロックが外れました。持ち運び中に上蓋が落ちてしまう心配はなさそうです。

フライパンの取っ手部分は約25cm程ありました。今回の検証はIHを使用するのでこの長さであれば熱くならなそうですね。

メスキットパンの上蓋はオカズを分けられるお皿になっています。またフライパンの蓋としても使用できるので、保温や蒸し料理も対応できそうですね。

一つ気になる点をあげるとしたら取っ手部分を開いた際にロック機構が無いので、例えば調理した料理を別皿に移したいというときは注意が必要です。

メスティンのようにバリがあるわけではないので、箱出しですぐに使用することが出来ます。

卵を焼いてみた結果…

では実際に焦げ付き調理の定番、目玉焼きを作って焦げ付きチェックをしてみましょう!

今回はシーズニングを行わず調理をしてみました。

  • STEP.1
    メスキットパンを予熱する

    まずはメスキットパンを十分予熱させ、熱ムラを少なくします!薄いフライパンは高温部分と低温部分が顕著に出るので、弱火で少しづつ予熱していき、最終的に180℃付近まで加熱していきます。

  • STEP.2
    サラダ油を馴染ませる

    次にサラダ油を馴染ませます!サラダ油に熱が入ると流動性が出てくるので、全体的にまんべんなく馴染ませます。この時煙が上がってきてしまうような場合は加熱しすぎですので、火から遠ざけて調整しましょう。

  • STEP.3
    卵を投入

    卵を大胆に投入します!!この時火力は中火以下にしてください。食材に高温の部分が当たり続けると焦げてしまいます。

    高温部分は火が直接当たっている場所を確認して判断しましょう。

  • STEP.4
    上蓋をする
    今回目玉焼きを作るため、黄身まで熱を通す必要があります。なので、上蓋を利用して熱をこもらせました。

    これ、めっちゃくちゃ便利です!

  • STEP.5
    完成
    あとはテキトーに調味料を掛けるだけで完成です!目玉焼きだけじゃ寂しいのでズボラ料理の定番、チーズトーストも添えました。

    ちょっと型崩れしていますが、これはシンプルに自分が料理下手なだけですw

さて、それでは気になるメスキットパンの焦げ付きを確認していきましょう。

結果:やっぱりシーズニングは必要ない!!

どん!!どうでしょうか!?検証通り調理をしたところ、卵がしつこく焦げ付くようなことはありませんでした。

使用感としては焚火フライパン(2mm程の鉄板フライパン)と似たような感じでした。

 

テフロン加工されたフライパンのようにスルスルっと目玉焼きが剥がれるようなことはありませんが、ヘラを目玉焼きとメスキットパンの間にチョンチョンっと食い込ませていけばペリペリっと目玉焼きが剥がれるような感じです。

若干ですが隅のほうに、ほんのわずかな焦げ付きがありました。ただし、こちらもスポンジでこすったら簡単に剥がれ落ちました。

この茶色になっている箇所は空焚きによる変色です!触ってみるとツルッツルなのでこのままにしておきます。

使い込んでいる感じがカッコよく感じるのは自分だけでしょうか。

食材の焦げ付きの大きな理由は熱伝導率の悪さによる熱ムラ。しっかりとした余熱と火加減の管理を行えば焦げ付きはかなり低減できます!

終わりに

 

いかがだったでしょうか、今回メスキットパンで試してみましたが、他のステンレス製品クッカーでも同様ですので是非参考にしてみてください!

まったく焦げ付かないわけではないのでテフロン加工のような使用感は期待しないでください、それでもこの「マニュアル感」が堪らないという方はぜひステンレス製品のクッカーをお勧めします。扱いに慎重になれるからそこ、愛着というものが沸くものですよ。

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